「外を歩く」という、スゴイこと。フリーペーパー14号
- 太郎 西邑
- 9月24日
- 読了時間: 3分
シェルハブ・メソッドしおがまのフリーペーパー 「ころろん・ぽん」第14号ができました!
PDF版はこちらからダウンロードできます。
ご希望の方には郵送もしています。 紙で読みたい方や、まわりの方に読んでほしいなという方は
mikasahumandevelopment@gmail.comまでメールでご連絡ください~。 (バックナンバーが残っている号もあります。) * * * シェルハブ・メソッドは「歩きの完成」といって
お子さんがヨチヨチ歩き出したあと、 歩き方が安定して、ジャンプやスキップも上手になるまで 発達をお手伝いします。
シェルハブしおがま代表・みかさは
「室内を歩くのが上手になったら、レッスンもいいけど あとは外で遊ぶのが一番の先生!」と言います。
野外でレッスンをすることもあります。
それには、こんな理由があるんです。

●歩くって複雑!
二本足で「歩く」って
じつは、とっても不安定な状態です。
バランスを崩して、戻して、崩して…のくり返し。
足だけじゃなく、背骨の使い方や
頭や腕のバランス…
全身が協力する、複雑な運動なんです。
さまざまな感覚の協力も必要です。
体の感覚やバランス感覚はもちろん
視覚や聴覚も、
「少し右に避けよう」「後ろから自転車!」
などと教えてくれます。
足裏の触覚も
「少しデコボコだぞ」「雨で土がゆるい」
と、バランスのお手伝い。
無意識に歩いている時も、脳は、
環境に合わせて動きを調整しています。
●お外でチャレンジ
全身を揺らして重心を変える、
いわゆる「ヨチヨチ歩き」から
背骨の小さな動きで重心移動できる
「大人型の歩行」になるまで、
約5年の時間がかかります。
この中で学ぶのは
「歩く動き」だけではありません。
まわりの環境に合わせて
「いろんな歩き方」が必要なことや、
その調整のしかたも学びます。
小さなお子さんはよく
縁石の上や側溝の中を歩きたがりませんか?
いろんな歩き方チャレンジの1つです。
狭いところを歩くには
ひと味ちがう動きが必要!
ほかにも、デコボコや段差、
「地面の素材の違い」などでも
違った歩きが必要になります。
お外の複雑な環境は、自然と
「いろんな歩き方」に出会わせてくれます。
●歩くことと見ること
もう1つの学びが、「環境」を知る手がかり、
感覚情報の取捨選択です。
五感に押しよせる情報の中で
どの情報が「歩き」に関わってるのか?
特に「視覚」はお外で学ぶことが大きいです。
室内より遠くが見えて、空間が広い!
意外なもの、知らないものも沢山です。
お空に鳥が、足元に素敵な石が…
目は、遠く/近くで自然に焦点を変えますね。
目の中の小さな筋肉が
柔らかいレンズ(水晶体)を引っぱったり、
ゆるめたりして、厚みを調整しています。
実はこれも、乳幼児期に体験しながら
学ぶことの1つです。
胎内ではほぼ視覚を使わないので
生まれてから学びはじめるんです。
キャッチボールのような遊びを楽しめるのは
「遠く、近く」の調節がスムーズにできるおかげです。
●「ちょっと外へ」で心を守る
ちょっとお外をブラブラ…は
大人のセルフケアにもおすすめです。
2020年、マイアミ大のアーロン・ヘラー博士らが長期の追跡研究を行い、
「移動量が多い人は幸福度が高い」
と発表しました。
といっても遠くへ行く必要はなくて、
運動量の問題でもない。
「ちょっと寄り道、いつもと違う道」
みたいなプチ冒険が
幸福感につながるのだそうです。
自然の中を散歩した後は、
不安を感じにくくなるという研究もあります
(ソニア・スディマック博士ほか)。
脳の警報システム・偏桃体の反応が
穏やかになるといいます。
いつもの道のお散歩でも、
「植物を探しながら歩く」なんて
いいかもしれませんね。
* * *
漫画とコラムは、私たちが季節ごとに発行しているフリーペーパー
「ころろん・ぽん通信」に掲載しています。
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