フリーペーパー 第8号。家を一歩、出るだけで。
- 太郎 西邑
- 2024年3月29日
- 読了時間: 3分
更新日:8月2日
シェルハブ・メソッド しおがまのフリーペーパー
「ころろん・ぽん」第8号ができましたー。
表紙のマンガ&コラムは「歩く・ジャンプ期」です。
テーマは「外を歩く」こと。 家から一歩、外に出るだけで、大きな違いがあることをお話しています。

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●こんなに違う「中」と「外」
「家の中は上手に歩けるのに、一歩外に出ると止まっちゃう」 そんなご相談を受けたことがあります。
大人から見ると不思議なんですけど、じつは「あるある」! 「外」が新鮮だから、脳がいろんなこと、気になるんです。
いろんな情報の処理に忙しくなって、結果、歩くどころじゃない!
それくらい「中」と「外」は違います。
まず、空間の大きさがぜんぜん違います。
天井も壁もなくて、タテにもヨコにも広い!
見えるものが違うのはもちろん、圧倒的に違うのは 視覚の「深度(奥行き)」。
すると、どこを見ていいのかわからないんです。
足の裏の感覚も大きく違います。
靴をはいてると、室内ではだしや靴下の時より、地面がちょっぴり遠いですね。
足の裏の触覚や圧覚は「歩き」と関係が深いです
(高齢になって足の裏の感覚が弱ると、転倒リスクが高くなるという研究があります)。
また、お部屋の床は水平になるように設計されてますが、
外の地面は(舗装された道でも)水はけのために少し傾斜がかかっています。
なので、バランスの取り方が変わります。
そして、いろんな物音も聞こえます。匂いも違います。風も吹きます。
ちょっと寒かったり、ちょっと暑かったりするかもしれません。
こういったことは歩くことと直接関係はないけど、
脳にとっては「いつもと違うので気になる情報」です。
あれもこれも気になって、忙しい!
●大人は「バランスのお手伝い」
では、そこからちょっとずつ歩き出すには?
大人にできるのは「バランスのお手伝い」です。
たとえば、手をつなぐ。
大人がギュッと握るより、お子さんに「手をつないでくれる?」と、
握ってもらうのがおすすめです。
手すりや壁にさわる、バギーや買い物カートを押す、なども
バランスの手がかりになります。
体重を支えるというより、手が何かに触れることで
「バランスの基準点」ができるのが大事。
お外でのレッスンで、お子さんが疲れちゃって
片手をつないだだけでは歩けなかった時
電車ごっこのように両手をつないだら歩けた、ということもありました。
歩く動きは「バランスを崩して、戻して、崩して、戻して」
・・・のくり返し。
バランスのお手伝いは、大きな助けになります。
●歩きの完成には5 年
動きの発達は、「歩けたら終わり」ではありません。
歩きはじめの歩き方は、ヨチヨチ歩き。
頭を左右に振ることでバランスをとります。
これは全身が揺れる、けっこう体力を使う歩き方。
いっぽう大人は、背骨の小さな動きだけでバランスを変えて歩いています。
とっても省エネです。
ヨチヨチから、いろんな歩き方を試して、大人の歩き方にたどり着くまで
約5 年がかかります。
おすすめなのは、やっぱり外です。
なぜなら、ヨチヨチ歩きでは攻略できない場所に出会えるから。
でこぼこ、傾斜、狭いところ。
行ってみたいけど、うまくいかない。どうしよう?
そこで、いろんな体の使い方を試してみます。
うまくいったら、嬉しい! 何回もくり返しやってみます。
新しい動きが身につくのは、まさにそんな時なんです。
歩きはじめの頃はまず、家の前の道に出られれば十分!
たっぷり「気になる、気になる」を楽しんでほしいです。
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