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  • 執筆者の写真太郎 西邑

動きの探究インタビュー(8)「障害のあるお子さんに関わる職員、全員におすすめしたい」

更新日:2021年12月6日

連載でお届けしている大人のための「発達の動きの探究」参加者インタビュー。


前回に引きつづき、児童発達支援事業で働いておられる

門脇玲子さんにお話を伺っています。

担当は主に未就学、0歳からのお子さんで、

「本当にこのレッスン、ドンピシャだと思う!」byみかさ

そして玲子さん、

実はみかさがダンス公演やワークショップの活動をしていたころから

「宮城県でも、こんなことをしている団体がいる!」

と足を運んでくださっていたそう。


即興のダンスや音楽など、

決められたことをその通りにやるんじゃなく

「自分がやりたいと思ってやる」「自分から動く」

そして「やりたい!」を尊重する。

そんな人たちが大好き! という玲子さん。


そんな玲子さん(みかささんは「玲子先生~」と呼んでいます)に、

たっぷりお話うかがいました!


  * * * *


玲子さん:あの、さっきまで、仕事に活かすというより

 自分のための時間として……ってお話してきたんですけど。


 私、今年から、発達支援事業の新しい事業をスタートしてるんです。

 今までやったことないことをしていて、それを何とかいいものにしたいし、

 「これはいい」っていう裏付けも欲しかった。


 どんな意味があって、何でこれやってるか。

 これをすることで、こういういいことがある、っていうのも説明できるくらい、

 自分のものにしたかった……っていうのもあって。


 (レッスンを通して)私がやってたこと、やっぱり良かったんだなって

 思うところもあったり、これは今度やってみようってのもあったり。


 活動の中で、それこそタッピング……お母さんたちがわかりやすいように

 クールダウンの時間って呼んでるんですけど。その時間を作っていて。

 そこで体を刺激しているのも、こういう意味があるからだな、とか。


 自分の体の発見と、仕事に活かせたのと……

 いま天秤にかけたら、どっちがより大きいかわからない。


みかさ:どっちかにしてくださいとは言わない!(笑)


玲子さん:たぶん、どっちも。

 自分も健康になったからこそ、仕事にも活かせたのかもしれないし。


みかさ:このレッスン、「体でわかる」っていうのは大きいんですよね。


玲子さん:そうですね。知識として、これをするといいですよ、

 あれをするといいですよ、だけでは、たぶんこうはいかなかった。

 自分も経験して体験して、発見があったからこそ、確信がついたかなって思うので……

 それは自分の体で体験した! って。


みかさ:嬉しいですね、それは。

 今レッスンが進んでいる中で、何か悩みとかありますか。湧いてきた悩みとか。


玲子さん:悩みはないですね。


みかさ:すごいな。


玲子さん:悩みはないです。


みかさ:あの、今後もレッスンが続いていくわけですけど、

 次、こうなりたい! っていうのはありますか。


玲子さん:次こうなりたい……。

 上手に立てたい、立ちたいっていうのはありますかね。

 レッスンを経験して、立ち方が変わったっていうのを感じているので、

 それを踏まえて、普段の自分の立ち方とか歩き方とかが、変われたらいいかなって。


みかさ:ありがとうございます。

 えっと、難しいのは承知で聞くんですけど……

 このレッスンを人にすすめるとしたら、なんて言いましょう?

 私も「教えて!」って感じなんですが(笑)。


玲子さん:あ、でも、ホームページの漫画(※)見させてもらいました。

 わかりやすいですね。


みかさ:よかった! ありがとうございます。


玲子さん:はい。そうだ、そう、そうねって

 思いながら……絵で見るとわかりやすいなと。

 なんですけど、結局、まず体験してみて! って

 感じにはなるんですよね。

 やっぱり、きっかけはシェルハブメソッドの

 体験会があったからこその今なので。

 (体験会で)触ってもらったりした後の、

 下半身の動かしやすさの変化とか……

 ああいうのが伝われば、なんか「これぞ」って

 思うのかもしれないんだけど、

 オンラインで触れることってなかなか難しい。


みかさ:そうなんですよね。

 やっぱり体験は、もしかしたら対面の方が

 いいのかしら。一度は触った方が。




玲子さん:やっぱり触ってもらって「こんなに違うんだ」っていうのは……一度経験するのとしないのでは違うかな。


みかさ:いいヒントをいただいています。


玲子さん:うちの職場にも、みかささんに来ていただきましたけど、

 職員を説得するまで実は、「何? は?」みたいな反応も……

 いやいや、何とか何とかそれを! ってお願いして。


 参加した職員は、やっぱり触ることって大事なんだってわかってくれたし、

 それって自分も経験したからこそだろうなって。

 こう触るといいですよっていうだけじゃなくて、

 自分も触ってもらったからこそ、「やってみよう」っていう気持ちが……


みかさ:確かに。深いタッチで触るっていうのが、シェルハブメソッドの一番大事な

 点なので。だから何だかんだいって、ぽんぽんむぎゅがすごく大事っていうね。


玲子さん: 説明も体験もあって、たぶんうちの職員たちもなるほどって

 感じになったと思います。

 

 私がやってる新しい事業は、週に1回、まもなく1年になりますけど、

 (タッピングは)もう今ではあそこやって、ここやって、ってリクエストされるくらい。

 やっぱりそれって、触れられるのが気持ちいいから。


みかさ:素晴らしいですね。すごくすごく嬉しいです。

 大人のためのレッスンの話に戻りますけど。


玲子さん:はいはい。


みかさ:このレッスンをおすすめしたい人って、どんな人ですか?


玲子さん:うちの職場の人たち全員におすすめしたいんですけど。子どもと関わる人……

 特に重度心身障害をもつお子さんを扱う職員はいいような気がしますね。

 障害のあるお子さん、その中でも、自分で歩行できない、座位がとれないような

 人たちと(一緒にやる)だと、あぁなるほど、っていうのがわかるような気がします。


みかさ:私も触りたいですね、そういうお子さん。


玲子さん:ねぇ!


みかさ:私の欲だ、それは(笑)。


玲子さん:実は来年度、まさにその重症心身障害をおもちの方が新しい事業に参加する

 ことになっていて。お医者さんに「しちゃいけない体勢とかないですか」と聞いたら、

 「全然何やっても大丈夫です」って言うので、よし! って。楽しみでしかない。


 でも、同僚の職員でも「何をどうしていいかわからない」

 「こんなに触って大丈夫なのか怖い」って方もいて。


 私は保育所で働いたってのもあって、こうやっていろんな話を聞いたのもあって……

 大丈夫な気がしてならないっていうか、やればいいのになって思うんだけど。

 なかなかそこは、「怖い」「股間節をどう動かしていいかわからない」とか。


みかさ:うんうん、知らないとね。


玲子さん:今日もズリバイの活動したんですけど……

 ズリバイしてほしいってなると、膝だけ注目して、ぐっと曲げようとしたりする。

 でもそれじゃうまくいかないんですよね。


みかさ:全身が協調して動かなければならないですからね。

 骨盤が同時に傾く、背骨は側屈する、背骨の側屈のためには胸も動かなければ、と……。


玲子さん:そういうのは(ほかの職員は)わからないんだなって思って。

 こうすれば動くとか、わかった上でやれば、また違うだろうなって。


みかさ:そうですね、自分でやってみてね。

 私たちも(レッスン中)ズリバイするのに、さんざん、骨盤が傾いて……とか、

 すごくやりましたもんね。


玲子さん:そうですね。うん。自分でやってみないとわからないところもあると思うので。


みかさ:はい。そういう人に入ってきてもらえるといいですよね。


玲子さん:はい……あの、支援職の方でも、「立たせたい」って、

 何とか支えながら歩かせたりすることがあるんだけど、それでは歩くようには

 ならないだろうなって思いが私はあって。

 やっぱり、いろんな人に受けてもらえたらいいなって。


みかさ:そうですね。立つっていうことは確かに大事なことで、

 何とかして……っていうのはわからなくはないんです。

 この重い体を支えて、広い視界で世界を見るために、人類は立つっていうことを

 獲得していったわけで。


 そこはとても意味があるし、大事だというのはよくわかるけど、

 「じゃあ立つためにどうするか」っていうのは、いろんなやり方、

 本当にいろんなやり方があるはず。無理やり立たせて立つわけではないっていう。


 いろんなことを試してみて、動きが豊かになって、背骨がいろいろ動くようになって、

 そうすると豊かに立てるようになると思う。


玲子さん:そうですね。それを身をもって経験したら、いいんじゃないかな。


みかさ:私もどうおすすめしたらいいのか、わかんないんですけど、

 このインタビューがまたヒントになるかもしれなくて。大変ありがたく思ってます。

 玲子さんが私の活動に興味を持ってくれたのは、はじめは私の即興の

 表現活動だったんですよね。


玲子さん:そうですね、即興関係がやっぱ好きなんですよね、私。

 型にはまらせたくない。小学校中学校の、全員一斉にっていうのが……

 一応やってきたけど、どうも好きじゃないっていう。


みかさ:レッスンの話に戻るけど、よく言いますけど、外側の見本がないじゃないですか。


玲子さん:はいはいはい。


みかさ:「どうやるの」って、全部言葉のガイドで……

 で、自分自身で探ってもらって、一緒にやってる仲間の動きもほとんど見ない。見るって

 いうことがほとんどなく、本当に自分で手探りでやってもらってるじゃないですか。


 ちょっと変わってるから、人に伝えるのが難しいんだけど……

 このやり方は、玲子先生のおっしゃる、即興が好きな人の「自分で探る形」っていうのに

 ちょっと似てるんですかね。


玲子さん:ような気がします。面白いですよね。

 うん、自分で考えて動くっていいよな、って思ってて。


みかさ:結局、そこなんですよね。


玲子さん:大人だろうが子どもだろうが、やらされてするんじゃなくて、

 自分がどう感じてるか、とかを言える人って、やっぱり大きいだろうなーって思ってて。

 形だけなぞるんじゃなくて、何かこう、気持ちが動いてほしいなっていう……


みかさ:玲子先生がいいなと思ってくださってることって、すごい大事なところ。

 最終的に深いところなんだなってわかりました。


玲子さん:難しいですけどね。


みかさ:すいません、時間も長くなっちゃって! またレッスンでお会いしましょう。


玲子さん:また明日ですね、よろしくお願いいたします。


みかさ:よろしくお願いします。おやすみなさい!


  * * * *


玲子先生、ありがとうございました!


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