フリーペーパー15号 赤ちゃんも、自分の機嫌をとろうとしている
- 太郎 西邑

- 16 時間前
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シェルハブ・メソッドしおがまのフリーペーパー
「ころろん・ぽん」第15号ができました!
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●泣く赤ちゃんと「脳」
個別相談などで赤ちゃんに初めて会った時。
機嫌が悪くて泣く子もいます。
むしろ、泣いて当たり前。
赤ちゃんにとって、初めてのものは
人でも食べ物でもおもちゃでも、モンスターのような存在。
脳の警報システム(扁桃体)が反応するんです。
なので最初は、赤ちゃんと目が直接合わないようにしながら
パパママご家族とお話する時間をとっています。
初めての声、初めての匂いを感じてもらう時間です。
パパママと穏やかにお話してる声を聴いているうちに
赤ちゃんも扁桃体の活動が収まってきます。
赤ちゃんの泣き声を聞くと、大人も
ドキドキ、時にはイライラを感じます。
これも脳の警報システムの働きです。
「イライラしちゃだめ」と反応を抑えるより
「今ドキドキしてるな」と自分を観察することからはじめると
落ち着きやすいです。
●泣いても「元に戻れる」を学ぶ
赤ちゃんが泣くのは心地よくないからですが、
決して悪いことだけではありません。
泣く体験は「泣きやむ」体験とセットだからです。
例えば、初めての人にびっくりすると
脳・体・自律神経が大騒ぎになります。
警報が鳴って、ストレス物質が出て、
心臓はドキドキ、呼吸も速くなって…。
赤ちゃんにとってはすごい変化です。
でもこの反応はずっと続くのではなく、
時間とともに少しずつ落ち着いていきますね。
泣いて泣きやむ体験は、赤ちゃんの脳・体・自律神経のシステムが
「変化しては、元に戻る」
しくみを学んでいく過程の1 つと考えられます。
外の世界に変化があると、自分の体の状態も変化する。
だけど「やがて安心な状態に戻れるんだ」と学んでいくんです。
●「心地よさ」も学ぶもの
授乳やオムツ替えなど、大人にしかできないこともありますが
赤ちゃんも自分で自分の機嫌をとろうとしています。
そもそも全身を使って泣くこと自体に
ストレス物質を消費する効果があります。
他にも、指をしゃぶる、大人をじーっと見る、手をのばす…。
成長につれて、自分の機嫌をとれる方法は増えていきます。
自分で姿勢を変えたり、移動できるようになることは
とても大きいです。
いろんなものを「心地いいな」と感じられるのも1 つの学びです。
新しいおもちゃや遊びなども、「いいね♪」って感じるまでには
その子それぞれの段階があります。
少しずついろんな心地よさを知っていけたら、
自分で「安心」に戻るための取っかかりも増えていきます。
●大人が心地よさを取り戻す
初めに、赤ちゃんの脳が落ち着くために
「パパママの穏やかな声を聴いてもらう」
というお話をしました。
赤ちゃんは「いま安全かな?」を知るために、
身近な大人の声・表情・心拍数などをかなり参考にしてるんです。
「ママが大丈夫そうだから、大丈夫かも」って。
赤ちゃんが「安心」に戻るために、
大人自身の心地よさはとても大切です。
もし、あやし方や寝かしつけに悩んでいたら
「自分が心地いいやり方」を優先して試してみるのは、おすすめです。
素敵な方法は1 つじゃなく、たくさんあります!
自分の心地よさを探すことは、大人のほうが下手かもしれません。
「お湯があったかい」「この服の手触りが好き」とか
感覚的な心地よさから意識してみるのはおすすめです。


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