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執筆者の写真太郎 西邑

6月の絵本『もりのなか』

更新日:2021年8月2日

スタッフの手違いで、更新が遅れてしまっていました。

失礼しました!

次の記事では、7月の絵本もつづけてご紹介します。

ぜひぜひ~。 今回、絵本専門店のあべりみさんが紹介してくださった絵本は

もしかしてこのコーナーでは初めて?

白と黒だけで描かれた絵本です。

銅版画のよう!


  * * *


『もりのなか』


男の子が森へ散歩に出かけます。

大きならいおん、ぞうの子ども、くま、かんがるーの親子、年とったこうのとり、さる、うさぎ、いろんな動物が「ぼくのさんぽ」についてきます。


頁をめくっていくと、絵本の世界にするりと入り込みます。

森の中で動物たちと散歩して、おやつを食べ、広場で遊びます。はんかちおとし、ろんどんばし、そして、かくれんぼ。

動物たちが、さも当然という顔でこっちを見ている気がして、なんだか可笑しくなります。


絵は黒色だけですが、不思議なほど温かで表情豊かです。

ぬれた耳を拭くぞうの仕草の可愛いこと。

コウノトリは何も言わないけれど、眼差しで心が通ったことがわかります。

おさじでジャムを食べさせてくれる時のくまの顔はとても優しい。


そこかしこに楽しさも散らばっています。

歯が一本欠けた櫛をらいおんはずっと持っています。すごく大事なんだね。

おやつの時、みんなは行儀よく並んで座っているのに、うさぎはジャムを早く食べたくて一歩踏み出している。そういうところもあるんだね。


ラストも素敵です。

みんなでかくれんぼをしている時にお父さんが迎えにきます。

「みんな、かくれているの」という男の子に、お父さんさんは「きっとまたこんどまでまっててくれるよ」といい、男の子を肩車して帰っていきます。


想像の世界で遊んでいる子の、その楽しい気持ちをつぶすことなく、さらりと現実の世界へ連れ帰ってくれる。

なんていいお父さん。こんな大人に守られていたら、子どもは想像の世界を思う存分に遊べて、さぞ楽しいことでしょう。


というわけで、まずは「もりのなか」でゆっくり遊びましょう。(文・あべりみ)


『もりのなか』

マリー・ホール・エッツ/作 まさきるりこ/訳(福音館書店)


  * * *


6月には、子育てのこと自由にわいわいしゃべろう~~!

という企画、「おしゃべりサロン」がありました。 そして、おしゃべりのテーマが『絵本て、あんがい自由』。

そんなわけで私たち、6月はとっても絵本のことを考えてました。

佐々木邸に来た子どもたちは、大人がちょっと難しい話してると、

「わかんないなー」とお部屋の中の探検スタート。

でも、博美さんが「こんな絵本があってね」と広げると

わーっと集まってくる!

「絵本、すごいな!」と実感がわいてくる場面だったそう。


私の感想ですが・・・ 大人と子ども、それぞれ経験も知識もちがう中で

「いっしょに同じものを楽しむ時間」

を作るのって、意外とコツがいることなのかも。

絵本、その点で力づよい道具なんだなあ、と感じた6月でした。

絵本もいろんな遊びも何でもそうですが、

いっしょに楽しむからには、まず大人が楽しいといいな! と思います。 「絵本もいいかもな」と思っていただけたら

まずは大きい人が気になる一冊、探してみるのもどうでしょう。


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