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執筆者の写真太郎 西邑

5月の絵本『ぼく にげちゃうよ』そして「安心の輪」

絵本専門店メアリーコリンのあべりみさんから

今月の絵本『ぼく にげちゃうよ』が届きました。


ウサギの子どもとお母さんを描いた、美しい表紙の一冊・・・

なのですが、りみさんの文章には、こんなひとことが。

「怖いよ母さん」。

えーっ、いったいどんなお話なんでしょう??


今回は合わせてみかささんから、「安心の輪」という考え方についても聞きました。

ぜひぜひ、最後まで。


  * * *


この母さん、問題アリだわって思いました。


「ぼく にげちゃうよ」

子うさぎは家を出てどこかへ行ってみたくなりました。

すると母さんうさぎが言います。

「おまえが にげたら、かあさんは おいかけますよ。だって、おまえは とってもかわいい わたしのぼうやだもの」


おやおや、大丈夫かな。


それから、子うさぎが魚になると言えば、母さんは漁師になると言い、子うさぎが山の上の岩になると言えば、母さんは登山家なると言い、とにかくどうしても追いかけてきて捕まえると言うのです。


わわわわ、相当なものです。


挙げ句、子うさぎは逃げるのをやめて、母さんうさぎと巣穴でにんじんを食べています。


あららら、怖いよ母さん。


でも。

でもなのです。

小さな子にとって、大好きな母さんが自分のことを追いかけてきて必ず捕まえてくれるって、そりゃあ嬉しいことです。

母さんに包まれて、安心と至福に心を満たすことでしょう。


この子うさぎだって、いつか母さんに捕まえてもらわなくてよくなるのです。そして軽々とにげちゃう日が来るのです。

「おまえが にげたら、かあさんは おいかけますよ。だって、おまえは とってもかわいい わたしのぼうやだもの」と抱きしめられた記憶が、巣立ちの日、子うさぎの力になるのだと思います。


絵本の中で子うさぎの気持ちに寄り添った人間の子もまた、その心を満たすことでしょう。 (BOOK WITH CAFE MARY COLIN / あべりみ)

『ぼく にげちゃうよ』ほるぷ出版 マーガレット・W・ブラウン(文) クレメント・ハード(絵) いわたみみ(訳)

  * * *


BOOK WITH CAFE MARY COLINさんのホームページは、こちら↓↓

www.marycolin.com


『ぼく にげちゃうよ』私、気になりすぎて図書館で探して、読んでみました。

そして、みかささんから「安心の輪」というお話を聞きました。

「母子愛着」に関する考え方だそうです。


「子どもは、お母さんとの関係が豊かになってくると、  お母さんから自分で離れていくのです。

 ちょっと冒険すると、安心を求めてお母さんのところに帰ってきます。

 それが輪をなしている。

 はじめは『5分、同じ部屋の中』だったのが、

 成長にしたがって、次第に広がっていくという考えです。


 なので、子どもが自分から離れていくのを追いかけないようにします。


 ところが! このお母さんは確かに怖い。

 でもそれは、あるあるだし、

 子どもが小さいときには追いかけっこになって、

 滑稽だったり微笑ましかったりしますね。」



りみさんの紹介とみかささんのお話、そして本を読んでみて・・・

私、この子ウサギさんは、まだ不安なのかも?っとも、思いました。

「ぼく、にげちゃうよ」「それでも大丈夫?」って確認したいのかも。。


いつか「あっ、大丈夫なんだ」って思ったら、子ウサギさんも

一人でぽーんと冒険に出かけたりするのではないでしょうか。

(そのときはお母さん、追いかけてきませんように…)


ちなみにちなみに、

最近の「おさんぽ会ミニ」でも、パパママとずっと一緒ではなく

「お母さんは、公園のここのベンチで待ってる」

「小さい人は行ってらっしゃい!」

と、子どもだけで「冒険に出る」時間があったそうです。


お母さんたち「大丈夫?」とドキドキしたそうですが、

小さい人たちは「お母さんの場所」ちゃんと覚えていて、帰ってきました。

やった!


小さい人も、パパ・ママも、おたがいに

「これくらい離れても大丈夫」をちょっとずつ確かめて

冒険できるようになっていくといいですね。



ではでは、

来月の絵本もぜひ、お楽しみに!


あっ、そして、子育てファミリー応援企画の「おしゃべりサロン」

6月のテーマは「絵本て、あんがい自由」ですよ~。

https://www.kokuchpro.com/event/ccedcc2d9f9da0da06b399087cd44bac/


読むだけじゃない絵本の遊びかた、いろいろ。

お待ちしております~。

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